高知大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
高知大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

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高知大学医学部耳鼻咽喉科学講座 教授
兵頭 政光
 耳鼻咽喉科は「耳」と「鼻」の診療科というイメージがありますが、実はその守備範囲は非常に多岐にわたり、脳と眼を除く頸(くび)から上のすべての領域を診療対象としています。そこには聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚など多くの感覚機能が含まれます。これらは人間が健康な生活をおくる上で必要不可欠な機能です。呼吸や嚥下(食べたり飲んだりすること)は生きていくうえで欠くことができない機能ですが、中でも食べることは人としての大きな楽しみでもあります。また、聴覚や発声・構音はコミュニケーションの手段として重要な役割を担っています。このように耳鼻咽喉科は人間が健康で豊かな生活をおくる上で欠かすことができないさまざまな機能を取り扱っています。

当科での診療および研究のコンセプトは「機能の回復」です。慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎による難聴に対しては手術により聴力の改善を図るとともに、極めて高度の難聴に対しては人工内耳手術による聴力の回復を行っています。慢性副鼻腔炎による鼻閉や嗅覚障害に対しては内視鏡下鼻内手術による低侵襲手術を行うとともに、持続する嗅覚障害に対しては嗅覚刺激療法を全国に先駆けて実施しています。睡眠時無呼吸症候群は社会的にも大きな問題となっているほか、小児では心身の発達障害にもつながります。そこで、その診断や治療にも取り組んでいます。声帯ポリープや声帯麻痺をはじめとする様々な声の障害に対しては、手術治療と音声治療(声のリハビリテーション)を併用しています。高齢化社会の到来にともなって社会的にも大きな問題となっている嚥下障害に対しては、手術とリハビリテーションにより安全に口から食べる機能の回復を図っています。喉頭癌、咽頭癌、口腔癌をはじめとする頭頸部癌に対しては、呼吸・音声・嚥下などの機能温存を図るため、放射線治療・化学療法・手術治療を組み合わせた集学的治療を行っています。そのほか平衡障害、顔面神経麻痺などの診断および治療についても専門的治療を行っています。

 以上のように当科では、耳鼻咽喉科のあらゆる分野に対して高度の診療体制を整えており、高知県下のみならず近県からの様々な診療ニーズに応えています。また、これをこれらの分野に関連する様々な研究を行っており、診療を支えています。さらに、当科では専攻医や若手医師に対して、個々の適性に応じた研修プログラム実施し多くの耳鼻咽喉科のスペシャリストを育てています。
高知大学医学部耳鼻咽喉科では今後とも、高知県はもとより世界にもアピールできる活動を行ってゆく所存ですので、皆様のご支援とご協力を宜しくお願いします。

略歴

  • 1983年3月
    愛媛大学医学部卒業
  • 1983年4月
    愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科医員
  • 1984年4月
    愛媛県立南宇和病院耳鼻咽喉科
  • 1984年9月
    愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科医員
  • 1985年2月
    愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手
  • 1986年4月
    愛媛県立伊予三島病院耳鼻咽喉科
  • 1990年4月
    愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手
  • 1995年1月
    スウェーデン、カロリンスカ研究所留学(~1996年3月 )
  • 1998年1月
    愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科講師
  • 2000年3月
    愛媛大学医学部耳鼻咽喉科助教授
  • 2008年4月
    高知大学医学部耳鼻咽喉科教授
  • 2016年4月
    高知大学医学部附属病院副病院長(~現在)
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