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メディカルアドバイス

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メディカルアドバイス

聴こえの障害(難聴)

音は外耳道(耳の穴)から鼓膜、中耳を経て内耳で電気信号に変換され、さらに聴神経を経て脳で音として認識します。この経路のどこかに障害があると難聴がおこります。
外耳の病気
代表的な病気として、耳垢(みみあか)が外耳道に栓をするくらいに詰まったものがあります。固まってしまうと簡単には取れなくなりますので、軟らかくするお薬を使って取ります。
中耳の病気
難聴をおこす最も代表的な病気は中耳炎です。鼓膜の奥の中耳に炎症が起きている状態です。急性中耳炎は、お薬を飲んだり鼓膜切開をしたりして治します。慢性中耳炎は、鼓膜に穴が開いたままになっています。鼓膜の穴から膿が出てくることもあります。鼓膜の穴を閉じるためには手術が必要ですが、病気の程度によって手術方法と目的が異なりますので、精密検査をして治療方法を決めます。
内耳の病気
内耳の病気では、ある日突然聞こえが悪くなる突発性難聴と呼ばれる病気があります。内耳の血流障害やウイルスなどが原因と考えられています。治療は、ステロイド剤、ビタミン剤、血流改善剤などが使用されますが、難聴の程度が強い場合や発症後日数が経った場合には治療が効きにくいことがあります。そのほかにもめまいや耳鳴りを伴うメニエール病、騒音の強い職場で長期間仕事をされていた方にみられる騒音性難聴など多くの病気があります。いずれにしても、難聴に対しては原因をよく調べて、適切な治療を行うことが必要です。聴こえがおかしいと感じたら、すぐにお近くの耳鼻咽喉科を受診して下さい。

補聴器について

難聴の原因は様々ですが、遺伝性・加齢性・騒音性難聴などのように、それ以上は薬や手術では治せない(適応ではない)難聴があり、日常生活に支障をきたしている場合には補聴器の使用をお勧めします。補聴器は音を増幅して耳に送り込む医療機器で、耳鼻咽喉科医に聴力や耳の状態を診てもらったうえで、その人に最も適した補聴器を選ぶことがポイントです。

最近の技術の進歩により補聴器の機能はすこしずつ向上し、雑音やハウリング(ピーという音)を抑えたり、顔をむけた方向から来る音をより強く増幅したり、こもり感を軽減したりすることが可能になっています。しかし、補聴器は装着してもすぐに昔と同じように聞き取れるわけではありません。一人ひとり難聴の原因や程度が異なるように、一人ひとりに合わせた細かな調整が必要です。まず補聴器から出る音に慣れ、言葉を聞き取るための調整を行って使いこなすことがとても大切です。もし調整を受けてもうまく聞き取ることができなければ、機種の変更なども必要です。最近、インターネットでの補聴器販売も行われていますが、通信販売ではこのような細かな調整が受けられません。補聴器は決して安くありませんので、購入した後で後悔しないためにも、お近くの耳鼻咽喉科で難聴の原因や程度を詳しく診てもらったうえで、資格を取得している認定補聴器店で購入してください。

なお、日本耳鼻咽喉科学会では規定の資格研修を受けた耳鼻咽喉科医を補聴器相談医として認定しています。本ホームページにも掲載しておりますので(補聴器相談医)参考にして下さい。

めまい

ぐるぐる回るめまいや横揺れのめまい、ふわふわ浮いているようなめまいなど、一口にめまいといってもいろいろな種類があります。また起こり方も、一回限りだったり、何度も反復したり、突然起こったり、徐々に生じたりと様々です。ある一定の頭の位置で、めまいが起こる場合もあります。
耳が原因のめまい
耳の奥の内耳には、体のバランスを司る器官(前庭・三半規管)があります。ここに障害が起こると、めまいフラツキを生じます。内耳が原因の病気としては、有名なメニエール病の他、良性発作性頭位眩暈症、前庭神経炎、外リンパ瘻などがあります。診断のためには、耳の観察やCCDカメラによる眼振の観察に加え、聴力検査や内耳平衡機能検査などの精査が必要となることがあります。安静・薬物治療や、整復術などで軽快しない場合は手術的治療を選択することもあります。
耳以外が原因のめまい
めまいを起こす疾患の中には重大な病気がかくれていることがあります。脳腫瘍、脳出血・脳梗塞などの脳血管障害、高血圧や低血圧でもみられます。また、心の病気などで生じることもあります。これらはそれぞれ脳神経外科、内科、神経内科や精神科などで治療を受けることとなります。
いずれにしても、治療は診断に応じて選択されますので、一度耳鼻咽喉科専門医での診察をお勧めします。

小児の反復性中耳炎

反復性中耳炎とは?
短い間に急性中耳炎を繰り返すものを、反復性中耳炎といいます。そのほとんどは2才以下で、一旦は治った後に再び起こす場合と、治りきらずにくすぶったまま再燃する場合があります。
原因は?
急性中耳炎は鼻の中の常在菌が引き起こすもので、その原因となる菌が耐性菌(抗生物質の効きにくい菌)であると、反復しやすくなります。また、非母乳栄養や低年齢からの集団保育などもリスクファクターです。他にも様々な要因がありますが、その子どもの免疫力も大きな要因になります。免疫力の指標である抗体産生能力は6ヶ月~2才まではかなり個人差がありますが、それが低い場合には中耳炎を反復しやすくなります。
治療は?
中耳炎は先に述べたように鼻からの感染により起こりますので、まずは鼻の治療が重要です。急性中耳炎の治療としては、原因菌を調べそれに対して有効な抗生物質を用います。炎症が強い場合や治りにくい場合は、鼓膜切開を行ってたまっている膿や粘液を除去します。これらの治療を行っても中耳炎を反復する場合には、鼓膜チューブ留置術という手術を行うことがあります。これは、鼓膜に細いチューブを挟み込むように入れて、しばらく鼓膜に穴が開いている状態にするもので、多くの場合、中耳内の炎症が治まり中耳炎の回数が減ります。

顔面神経麻痺

顔面神経麻痺は、顔の筋肉を動かす顔面神経の麻痺により顔の動きが悪くなる病気です。徐々に動きが悪くなることもあれば、ある日突然、たとえば朝うがいをしていて口から水がこぼれたり、鏡をみて顔の動きに左右差があることで気づかれることもあります。
原因
顔面神経麻痺はいろいろな原因によって起こりますが、ヘルペスウイルスが原因となることが多いとされています。ウイルスにより神経が障害を受けて腫れることで麻痺します。ほかには外傷、脳腫瘍、脳梗塞、さまざまな神経疾患などがあります。また、顔面神経は耳の後ろの骨の中、そして耳下腺を通って顔に分布しますので、中耳炎や耳下腺のがんなどが原因になることもあります。明らかな原因が見つからない特発性麻痺も少なくありません。
治療
検査で麻痺の原因を調べ、それに応じた治療を行います。ヘルペスウイルスが原因と考えられる場合には、ウイルスの活動を抑える抗ウイルス薬と神経の腫れを抑えるステロイドホルモンを使います。脳梗塞や中耳炎などが原因であればそれに対する治療を行います。通常はこれらの治療により麻痺は徐々に改善しますが、麻痺の程度によっては治るまでに数ヶ月かかることもあります。麻痺の程度が強く、治りが悪い場合には神経の腫れをとるために耳の後ろの骨を削る手術を行うこともあります。
もちろん、麻痺が起こってから少しでも早く治療を開始した方が改善率は高くなりますので、なるべく早期の受診をお勧めします。

慢性副鼻腔炎(蓄膿)

慢性副鼻腔炎とは?
鼻の傍らには副鼻腔という空洞がいくつかあります。細菌感染などでこの空洞に膿がたまったりポリープができたりするのが、慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿)です。副鼻腔炎になると鼻がつまったり、黄色い鼻水が出たりします。さらにのどに膿が流れてのどの不快感をきたしたり、肺に悪影響をきたすこともあり、早めに近くの耳鼻咽喉科を受診して診察を受ける必要があります。
治療は?
慢性副鼻腔炎に対しては通常まず薬で治療します。抗生物質や消炎酵素剤を飲んだり、ネブライザーといって抗生物質を霧状にして鼻から吸入したりします。小児の副鼻腔炎はこのような治療で治る場合がほとんどです。一方、薬で治癒しない場合や、鼻茸が大きい時は、手術をします。最近は、内視鏡で鼻の中から副鼻腔の入り口を広げる手術が主流です。多くの場合、手術の効果は高いのですが、アレルギー性鼻炎や喘息が持病としてある方は再発することもあります。
こんな時は要注意!
副鼻腔炎はたいてい両側罹患ですが、一方の側のみに起こることもあります。このような人の中には、原因が歯にある場合、かびが原因の場合や腫瘍(でき物)がある場合もあり、耳鼻咽喉科専門医を受診することをおすすめします。

アレルギー性鼻炎の治療

まずはアレルゲンの回避
原因となる物質(アレルゲン)を減らすことが治療の第一歩です。アレルゲンには年間通して存在するダニやハウスダスト、季節的に飛散する花粉などがあります。掃除をこまめにすることでダニを減らしたり、マスクをすることで花粉を回避したりします。アレルゲン自体をなくすことは必ずしも容易でありませんが、少しでもアレルゲンとの接触を避けることが重要です。
薬による治療
一般的な治療法は薬によるものです。アレルギー症状を起こす物質の働きを抑える内服薬や、炎症を抑える薬を鼻に噴霧する点鼻薬が主に用いられます。スギ花粉症など季節性の場合には、花粉が飛散する少し前から治療を行うことで、症状を軽減することができます。ただし、これらはアレルギー性鼻炎自体を治す治療ではありません。これに対し、減感作療法(特異的免疫療法とも呼ばれます)は、アレルゲンのエキスを少しずつ繰り返し注射することによりアレルギー自体を治そうとする方法です。ただ、注射を繰り返し行う必要があり、アレルギー性鼻炎での保険適応がスギとブタクサ花粉症に限られる問題点があります。
重症の場合には手術
症状が強く、薬による治療に抵抗する重症のアレルギー性鼻炎に対しては、レーザーにより鼻の粘膜を焼灼する手術が有効な場合があります。また、鼻づまりが強い場合には腫脹した鼻の粘膜を切除したり、鼻水を分泌させる神経を切断したりする手術が行われることもあります。いずれも頑固なアレルギー性鼻炎に対する治療法として、最近注目されています。

アレルギー性鼻炎の治療は、症状の内容やその程度によって患者さんごとに選択することが重要です。不適切な薬物治療は効果が少ないばかりか副作用をきたすこともありますので、治療についてはお近くの耳鼻咽喉科またはアレルギー専門医にご相談ください。

においの障害(嗅覚障害)

においを感じる「嗅覚(きゅうかく)」は空気中を漂うにおいの分子を鼻の中の一番上にある、においを感じる細胞「嗅細胞」で感じ取るものです。嗅覚は直接命に関わる感覚ではありませんが、障害があるととても不便です。お鍋の焦げたにおい・ガスのにおいなど危険を素早く察知することができません。それから食事の時には味とにおいを同時に感じ総合的に味わっていますので、嗅覚障害があるとごはんもおいしくなくなります。
嗅覚障害の原因
最も多いのは鼻づまりをおこす、慢性副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎などによるものです。原因となる疾患を治療すれば70%以上は改善します。またインフルエンザウイルスによって嗅細胞が破壊されておこるものもあります。嗅細胞の再生には数ヶ月かかる上、高齢になるにつれ再生能力は落ちます。あとは頭部外傷によっておこる重篤なものがありますがこれは残念ながらほとんど改善は不可能です。
嗅覚障害の治療
まず検査によって原因を明らかにします。その上で原因疾患の治療や点鼻(鼻内に液体の薬をさす)治療を主体に行います。放置しておくと治癒率が下がりますので、なるべく早く耳鼻咽喉科を受診して頂くことが重要です。

味の障害(味覚障害)

味覚はいわゆる五感の一つですが、食事をおいしくいただくためにはなくてはならない感覚です。味がわからなければどんなにすてきな料理を食べても、ちっとも楽しくありませんよね。この味覚はいろいろな原因により障害されます。
味覚障害の原因
もっとも多い原因として、体内に必要な微量元素である亜鉛の不足があげられます。さらに、ビタミンA・B2・B12や鉄などの不足による味覚障害もあります。したがって、偏食のない食事が重要です。なお、これらの微量元素やビタミンは血液検査で調べることができます。次に頻度が多いのは内服中の薬による副作用です。解熱鎮痛薬・降圧薬・抗ウイルス薬・抗真菌薬・精神神経薬・抗悪性腫瘍薬などさまざまな薬が原因になり得ます。長期間にわたって薬を内服している場合には処方医に相談してみてください。また、味覚障害を伴う全身疾患としては肝不全、腎不全、胃・腸切除手術後、甲状腺機能障害、糖尿病、貧血などがあります。唾液の分泌障害による口腔の乾燥や、鼻疾患や風邪などによる嗅覚障害も味覚障害の原因となることがあります。
味覚障害の治療
亜鉛や鉄などのミネラルが不足している場合にはそれを食事で補うことが重要です。亜鉛は牡蠣(カキ)・緑茶・抹茶・牛肉・豚肉・うなぎなどに、鉄は牛肉・レバー・ひじき・小魚・海藻などに多く含まれています。また、亜鉛や鉄を補うための薬もあります。服用中の薬による副作用が疑われる場合には処方医と相談して、薬の休止や変更を考慮します。さらに、口腔の乾燥や嗅覚障害があればそれに対する治療もあわせて行うことが必要です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは眠っている間に呼吸が止まる病気です。
いびき、日中の眠気、起床時の頭痛などの症状が出現します。きちんと睡眠を取れないことなどにより、体がじわじわと侵され、高血圧症や心疾患など生活習慣病になったり、昼間の眠気により、労働災害や交通事故を起こしたりすることが問題視されています。
小児では、成長や発達の遅れ、助骨や胸骨の変形が起こることもあります。
検査
スクリーニング検査;無呼吸症の有無を大まかに知ることができます。
終夜睡眠ポリグラフィー検査(PSG);入院して行う精密検査です。測定する項目は睡眠状態を見るために脳波・筋電図・眼球運動図など、睡眠中の呼吸の状態をみるために鼻の気流とお腹と胸の動き、血液中の酸素濃度などを同時に記録します。体にセンサーを取り付けますので、少々わずらわしく感じるかもしれませんが、痛みを伴う検査ではありません。
治療
精密検査後、重症度と原因に応じて以下のような治療法を選択します。同時に、ご自身にて生活習慣の見直しも行うようにしましょう。

CPAP療法
就寝時に鼻から空気を送り込み、気道が閉じてしまわないようにする方法です。

スリープ・スプリント
カスタムメイドで作製したマウスピースを就寝時に装用し、下顎をやや前に出す形で固定する方法です。

外科手術
大きい扁桃腺やアデノイドを切除する手術、狭い鼻腔を広げる手術などがあります。

口内炎

口内炎とは?
口の中の粘膜や、唇、舌の炎症です。潰瘍を作るアフタ性口内炎が代表的で、誰でもが一度は経験したことがある病気です。大半は数日で軽快します。
どうして起こるの?
原因は、歯ブラシや義歯による外傷、ビタミン不足などの栄養障害、ウィルスなどの感染、免疫不全・自己免疫疾患など全身の病気の一症状の場合、風邪薬など薬剤の副作用など様々な原因があります。類似した症状でカビなど重篤な感染症や舌癌などの悪性腫瘍の場合があるので注意が必要です。
口内炎ができたとき
口腔内の痛みで、食事量が減少することがあります。醤油や酢の物、香辛料などの刺激物をさける、食材ものど越しのよいものを選ぶ、水分をこまめにとり、うがいなどで口腔内を清潔にする、入れ歯の刺激であれば入れ歯を必要時以外はずす、などの工夫が必要です。症状や炎症は徐々に和らぎ、1週間以内には軽快することがほとんどです。市販の口内炎治療薬やビタミン剤なども症状を軽くしてれますが、次に挙げる症状があれば必ず専門医を受診してください。
こんな時は病院へ
  • 口内炎がたくさんの場所にできている
  • 口内炎から出血する、発熱、皮膚の発疹など口内炎以外の症状がある
  • 薬を飲んで口内炎がたくさんできた
  • 症状がだんだんひどくなる、傷が深くなる、1週間たっても治らない
  • 同じ場所にいつもできる、治りが遅くなっている、症状を繰り返す
  • 大きな傷になっても痛みない
  • 口内炎の周りがかたくなって腫れてきた

声のかすれ

「声のかすれ」のタイプ
声のかすれには、声の質がざらざらしているタイプ、弱々しい声のタイプ、声を出そうとしても息がもれてしまうタイプ、「のど声」というようにのどに力をいれてつめているタイプ、などさまざまなタイプがあります。声は喉頭にある左右の声帯が、発声時に内側に動き、肺からの呼気が声帯を振動させることで生まれます。この声がつくられる過程のどこが原因となるかにより、いろいろなタイプのかすれ声が生じます。
「声のかすれ」の原因
声がかすれる原因も実に様々です。声帯にできものがあり、うまく振動できない原因としては、歌手や先生など声をよく使う職業に多い声帯結節、また声帯ポリープ、風邪からくる声帯の炎症、喉頭癌などがあります。次に、発声時に左右の声帯間に隙間ができてしまう原因として、声帯が動かない声帯麻痺や、声帯の萎縮(やせ)などがあります。また、声帯自体には異常がなくても、声帯の機能(働き)に異常があって声がつまることもあります。
「声のかすれ」の治療
声のかすれの治療としては、まずその声のかすれの原因が何かを見極める必要があります。耳鼻咽喉科では、喉頭内視鏡鏡によって声帯の観察を行い、実際に発声をさせることによってその原因を見つけます。治療としては、吸入や投薬による保存的治療、声の出し方を指導する声のリハビリテーション、手術等の方法があり、患者さん一人一人にベストの方法を選択、もしくは組み合わせて治療を行っています。

嚥下(飲み込み)の障害

「嚥下」とは一言で言えば食べ物を飲み込むことで、人が人らしく豊かに生きるために欠かすことのできない働きです。私たちは普段、特に意識しないで嚥下を行っていますが、ものを飲み込む時には気管に食べ物が入らないようにするための複雑なしくみがあります。このしくみがうまく働かないと飲み込みの障害がおこります。
嚥下障害の原因
嚥下障害の症状としてはものを飲み込みにくい、飲み込むときにむせるなどがあり、ひどい場合には肺炎を繰り返すこともあります。
嚥下障害の原因は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、神経や筋肉の病気、頭部や頸部の外傷、のどや食道の腫瘍、加齢などさまざまです。高齢化社会を迎えた今日、嚥下障害の患者さんは急速に増えており、医療的にも社会的にも大きな問題となっています。
検査は?
嚥下障害の原因や程度を診断するためには、まず、のどの内視鏡検査が必要です。さらに詳しく調べる必要があればレントゲン透視検査などを行います。
治療は?
治療は、嚥下障害の原因や程度によって異なりますが、まず、むせやすい、あるいは飲み込みにくい食べものを避けることが必要です。お茶漬けのように液体と固体がまざったもの、クッキーや煎餅などパサパサしたものなどです。水やお茶もむせやすいので、注意が必要です。歯磨きやうがいをしっかりして、口の中を清潔にしておくことも重要です。
嚥下障害が高度の場合には、飲み込みを改善させるためのリハビリテーションを行います。これにより、脳血管障害による嚥下障害の多くでは改善が得られます。嚥下障害がさらに高度で、むせがひどいため食事ができない、あるいは肺炎を繰り返すような場合には、むせを減らして口から食べることを回復させる手術や、肺炎を防止するための手術が有効です。
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